第2回shiawase学会
カジュアルに、自由に、
幸せに関する研究や活動の成果・経過を
シェアし対話する学会です。
コンテンツは、
基調講演、シンポジウム、一般発表の
3部門となります。
基調講演
「死者の幸福は語りうるか」
一ノ瀬正樹氏
(武蔵野大学グローバル学部教養教育(哲学)教授)
「幸福」とは何か、と正面切って問いを立てて、それに答えるのは非常に難しい。そもそも、主観的な次元で論ずべきか、社会全体の観点を持ち込むべきか、といった基本的な疑問が直ちに浮かんでしまう。けれども、「幸福でない」状態というのは、はるかに同定しやすい。それは、「幸福」をどう解釈しようとも、「幸福」にとって最低限必要な条件が満たされていない状態のことである。たとえば、虐待されているとか、不当な仕方で害を被っているとか、そういう状態である。そういう状態をどう理解し、どう改善できるのかを明確にすることで、「幸福」の外縁が輪郭づけられるだろう。ここでは、そうした観点から「死者」の幸福可能性について論じたい。ガリレオが20世紀になってローマ教会によって謝罪された、という事例が象徴的なたたき台になる。なぜなら、こうした謝罪行為は、ガリレオは、その死後も、不当な害を被っていた、すなわち「幸福」の必要条件が犯されていた、という理解を内包するからである。しかし、もちろん、「死者」は非存在であり、「幸福」など関知できるはずがないではないか。では、果たして、この「謝罪」はどういう事態なのだろうか。死は無害であるとする「エピクロス説」との対照のもと、この問題を論じていく。
「ポジティブ心理学から考えるウェルビーイング: 統合的アプローチ」
小林正弥氏(千葉大学)
ポジティブ心理学とは、人々が善い生き方をして幸せになるための科学的心理学である。ウェルビーイング(良好状態)が高ければ健康や病気からの回復、学業や仕事の成功につながることが明確になったので、成果を活用すれば幸せになる可能性が高まる。
最近は「幸福」に代えて科学的には「ウェルビーイング」という用語を用いることが増えているが、この理解や計測をめぐる論争は哲学的な側面も持っている。またポジティブとネガティブとの関係を再考して統合的に考えるアプローチも浮上している。さらに個人の感情や人格的特性とともに、医療・養育・教育・経済・政治・社会などの様々な領域での学際的研究が進展し始めている。
このようにポジティブ心理学は個々人のポジティブな心理の研究から始まって、ネガティブな心理との関係や、マクロな公共的領域も含めて考える方向へと向かっている。よって、統合的なウェルビーイング研究へと向かっていると言うことができよう。
シンポジウム
〜ウェルビーイングリサーチの可能性と展望〜
人々のウェルビーイングに貢献する-それは研究者としての最大の喜びである。ではウェルビーイングとは何か。なぜウェルビーイングは重要であるのか?どんなことがウェルビーイングに関連するのか?どのようにウェルビーイングを高められるのか?ウェルビーイングを追求する研究者から、ウェルビーイングリサーチの現状をそれぞれの専門の立場から発言し、討論し、これからの方向性を探っていくのが本シンポジウムの目的である。
前野隆司(慶應義塾大学)
本シンポジウムの趣旨&ウェルビーイングリサーチについて
16:00-16:15
小林正弥(千葉大学)
コミュニティのウェルビーイング
16:15-16:30
秋山美紀(東京医療保健大学)
ケアをする人のウェルビーイング
16:30-16:45
島津明人(北里大学)
働く人のウェルビーイング
15:45-17:00
討論会
17:00-17:30
タイムスケジュール
下記ページより、ご確認ください。
一般発表申し込み
学会の一般発表への登録希望の方は、
下記より2019年1月7日(月)までに申し込みをお願いします。
→申し込みは締め切りました。沢山の応募、ありがとうございます!